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栗林知代のアイ・アム・ママ!

おっぱいにさようなら。それは母乳育児ベビーの越えるべき壁?! ~前編~

東京もすっかり寒くなりました。街路樹の葉がはらはらと落ちる風景は、いつもの散歩道をうっとりとした気持ちで歩かせてくれます。ベビーカーを降りて元気に歩く息子の後ろ姿を見ると「去年の今頃だったなぁ」と思い出すことがあります。それは「断乳」。

私は完全な母乳育児でした。一昔前と違って、今は病院でも母乳育児を推奨しているのでベビーを粉ミルクではなく母乳で育てるママは多いかと思います。私もそのひとりでした。妊娠している間に助産師さんから母乳の素晴らしさを教えてもらい、おっぱいが出るのであれば母乳で育てたい、と思っていました。実際出産をして母乳が出始めると、出るどころか、出過ぎるほど。こう言うと「あら、いいじゃない」と言われるのですが、おっぱいトラブルを抱えやすいのは出が良い人です。私はまぁまぁ順調にトラブルなく過ごせていましたが、生後10ヶ月の時、突然乳腺炎になってしまいました。
 

落ち葉のじゅうたんの上を歩く息子。「1年前は、ベビーカーに乗せて私がこの上を歩いていたのになぁ」と何だか感慨深くなってしまいます。はじめて乳腺炎になった日もこんな天気。
こちらはどんぐり拾いをして遊ぶ息子。これも1年前「息子がどんぐりを拾って遊ぶようになるのはいつになるだろう?」と考えていたのにもう遊ぶようになったんですねぇ。しみじみ。


 
乳腺炎とは、乳腺が詰まり炎症が起きること。もちろん胸は痛いし、38度以上の熱が出て風邪のような症状に。原因としては、油っこいものを食べたり、疲労などが考えられています。私は助産師さんに診てもらった時「すごく疲れている」と言われたので、今回で体を休めたら以前のように順調な毎日に戻れるだろう…と思っていました。ところが、この乳腺炎を皮切りにトラブル続きの毎日がはじまったのです。

乳腺炎までいかなくとも、しょっちゅう乳腺は詰まり、助産師さんのケアが3日あけられないほど。もぐら叩き状態で、右のおっぱいが詰まったかと思えば次は左のおっぱい。「どうしておっぱいってふたつあるの!?」と呪ったほど。そしてついに再び乳腺炎に。はじめて乳腺炎になってからたった1ヶ月後のことでした。乳腺炎になる度に1週間は寝込み、食事もおかゆぐらいしか食べられないため私の体力は低下。そうなると毎日息子の世話をするのも大変になってきます。そして何よりもつらかったのは、「今度乳腺炎になったら、誰がこの子の面倒を見るのだろう?」という不安でした。運よく1回目の時は母、2回目の時は義母と駆けつけてくれましたが、基本的には夫も私の実家も遠く離れているため早々頼めないし、夫だって簡単には仕事を休むわけにはいかない…そう考えると「今度いつ乳腺炎なるの?!」とビクビクしながら過ごし、回復が見られないおっぱいに精神的にも参ってしまいました。「ママである私がいつも塞ぎこんでいるなんて息子にも良くない」と、夫と話し合った結果「おっぱいをやめて元気に笑顔で家族3人過ごそう!」ということになり息子の1歳の誕生日を機に授乳を終えることにしました。

<中編へつづく>
 

 

筆者プロフィール

栗林 知代(くりばやし・ともよ)

雑誌、ウエブマガジンなどの編集、ライターを経てエッセイストに。一昨年の年末に男児を出産。一児の母。趣味は読書。読む本は偏っていて女流作家のものばかり。図書館を利用すれば、タダだし、知らなかった本との出合いはあるし、まさにワンダーランド。ベビーカーを押しながら今日も図書館へ向かう。

(2009 年 12 月 3 日)

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